最近の治療例から

 

PDF版 2005年 治療例から
前期  陣痛促進穴・インフルエンザ・メニエール病 (こちらをクリック)
中期  不妊症・生理不順・帯状疱疹(こちらをクリック)
後期  むちうち症・足関節捻挫・リンパ節の腫脹(こちらをクリック)


NO.1     2005年 1月
NO.2    2005年 3月
NO.3    2005年 5月
NO.4    2005年 5月
NO.5    2005年 6月
NO.6    2005年 7月
NO.7    2005年 8月
NO.8    2005年 9月
NO.9    2005年10月
NO.10    2005年11月
NO.11    2005年12月
  


足関節捻挫の症例
高校2年生の男子

高校のサッカー部の男子生徒で「明日大事な試合があるので何とか試合に出て走れるようにしてください」と紹介されて来院されました。診ますと右足関節から指にかけて捻挫のため倍くらいに腫れ、しかも熱を持った状態です。
普通ならとても明日の試合には出られない状態です。「今までに似たような状態で翌日に痛みが引き試合に出れたケースもあるけれど、必ずそうなるとは限らないよ。でも精一杯治療しますから回復力に期待しましょう。その代わり、次のことは必ず守ってください。そうしないと絶対に間に合わなくなってしまいますから。まず第一に、腫れている足を絶対に冷湿布等で冷やさないこと。次に腫れている足に包帯等で締め付けないこと。そうすることによって、患部が早く治るようになるから」と言って治療を開始しました。
所定の本治法・標治法を終え、足関節周囲の患部と健康部との間に施灸して初回に治療を終えました。
まだ足関節は腫れている状態ですが、痛みが大分引いた感じで歩くのに少し楽になっている様子です。「先ほど言ったことを守ってください。試合が終わってからまた来て下さい」と言って治療を終えました。
三日後に来院。「無事試合に出れて思いっきり走れました。ありがとうございました」とお礼を言われました。足を診ますと、また少し腫れていて痛みが出ています。初回同様の治療をし、その後二回の治療をして治療を完了しました。
一般的には、捻挫と言うと患部を冷やすために冷湿布をし、包帯等で固定するのが常識ですね。それからすると、今回の治療は非常識と言えるかも知れませんね。でも、見る方向を変えるとそうでもないのです。なぜでしょうか。
湿布をし、固定するのは、患部の炎症を抑えその分を保護するという意味では大切です。しかし、早く患部を治癒させるという観点からはどうでしょうか。
つまり、体は患部を治すべく働き、その結果患部に熱が発生します。この患部の熱は体の補修にとって大切なものです。さらに、包帯等で患部を圧迫することでリンパ・血液の流れを阻害し、回復を遅らせてしまいます。
このような観点から、当院では治療させていただいております。捻挫で鍼・灸はピンとこないかも知れませんが効果はありますので、ご検討くだされば幸いです。


肘の痛みについての症例
40歳代前半の男性

右ひじ内側に痛みが強く、整形外科に半年以上通院していましたが痛みが引かず、更に悪化してしまい当院に来院されました。初診時にはボールペンを持っても痛み、文字を書くにもきつい状態でした。
右ひじ内側は冷えていて軽く圧迫するだけで痛みが強く出るほどです。「だんだん痛くなり、痛みで仕事があまり出来ません。何とか痛みをとってください」「ひじは冷えて痛みが出ていますから少し時間がかかります。辛抱して通ってください。治りますよ」と伝えつつ、治療を開始しました。
1回目の治療で痛みが大分和らぎ信じられないような表情をしていましたが、「何日かするとまた痛みが出てきますが、この治療を繰り返していくことによって治っていきます。ですから一喜一憂しないでください」
当初五日に一回の割で治療を始めました。1ヵ月後には痛みは少し残るが殆ど仕事には支障ないほどになりましたが、一日の仕事を終えると痛みが出ていました。
3ヵ月後には痛みが殆どなくなりました。丁度仕事の関係でも通院できなくなり、一ヵ月後に再来院となりました。少し痛みが出ていましたが、仕事には支障のない程度でした。
再来院後一ヵ月後には完治し、治療を終えました。
来院当初は、ボールペンも持てないほどでしたが、次第に痛みで曲げられないひじも、曲げられるようになっていきました。また、治療をするたびに痛みで曲げられないひじが楽に動かせるようになって驚いておられたようです。
整形外科に通ってもなかなか治らないような人は是非、一度鍼治療を検討してみてください。目からうろこが落ちるような体験となりますよ。
初めから鍼治療をと言う人は勿論大歓迎です。


交通事故による後遺症(むちうち症)の症例
50歳代前半の男性

当院へは事故後2週間後くらいで来院されました。過去にも交通事故により2度治療をさせていただいており、今回で3回目の治療となりました。2年間で3回の追突事故にあわれ、今回が一番状態が悪いようです。
症状は肩甲間部とくに左側に自発痛が強く腫脹していて、左手肘から指先にかけて痺れが強く出ていました。特に手首から薬指・小指にかけてもっとも痺れが強い様子です。
「すぐには楽になれないかも知れませんが、少しずつ変わっていきますから少し辛抱して通ってください。今回で3回目ですから、今までより少し時間がかかりますよ」と説明しつつ治療を始めました。
初回の治療で「大分楽になったよ」と言われましたが、「時間がたつと痛みが出てきます。でもこの治療を続けて行くことでだんだんと楽になりますから、仕事で忙しいでしょうが通院してください。まぁー前の治療体験でお判りでしょうが」
週2回から3回のペースで通院してくださいました。約2ヶ月ほどで肩甲間部の痛みは殆ど無くなり重い感じに変わってきましたが、天候によってはその重さが強くなることがありました。
しかし、左手の痺れは手首から薬指・小指にかけて痺れが残っています。
更に治療を継続し、肩甲間部の痛みは消失。 
約3ヶ月半頃に左手のしびれも殆ど感じなくなりました。約4ヶ月の治療期間がかかりましたが、完治となりました。この期間が長いのかそれとも短いのかの判断は皆様にお任せしますが、鍼灸によっても“むち打ち症”を治癒させることが出来ます。
よく何年たっても交通事故の後遺症で苦しんでおられる方がいらっしゃいますが、鍼灸治療も是非治療手段のひとつに加えてください。


リンパ節の腫脹による高熱
20歳代前半の女性

7月の上旬に風邪のような症状が始まり、内科に通いはじめたところ、頚リンパ節と腋窩リンパ節が腫れていることを指摘される。「風邪のウイルスでも入ったのでしょう」と言われ投薬を受けていました。しかし、2週間ほどたっても高熱は引かず、決まって午後9時頃になると39.5℃前後の高熱となってしまいます。その都度解熱剤を服用し、少し熱は下がりますがなかなか熱がぬけきれず、また翌日の夜になると高熱になってしまいます。そのため、仕事にも行けず7月の下旬に当院を紹介され、来院されました。
問診をしたのち、左頚リンパ節・右腋窩リンパ節の腫脹を確認しました。左頚リンパ節は、かなり大きく腫脹しています。また、連日高熱になるため解熱剤を服用しているとのこと。
「熱が出てつらいから解熱剤を飲むのでしょうが、これだけ毎日のように飲んでいるのに治らないでしょ。かえって解熱剤を飲み続けることで、熱を体の中に押さえ込んでしまい、治らなくしています。ですから、出来るだけ飲まないで我慢してください。鍼で熱が出ないようにしますから」
と説明しつつ、1回目の治療を終えました。
「少し体が楽になったようです。熱は今は無いようです。有難うございました」とお礼を言われました。
「今日ははじめての治療ですから、また時間がたつと元の状態に戻ってきますが、続けて行くと治りますから心配しないでください。出来るだけ薬を飲まないように、そして腹七分程度に食事量をひかえてください。そうしていくと、自分の力で治していく力がでてきますよ」
二日後に来院。
「まだ夜9時頃になると39℃を超える熱が出ます。つらいので解熱剤を飲んでしまいました」
「判りました。つらい時は飲んでください。もう少しの辛抱です。体が元の良い状態に戻るにはもう少しかかりますから」
4回ほど治療を継続、8月の上旬には熱は全く出なくなりました。その後、冷え性なので8月いっぱい継続治療を行い、治療を終えました。


帯状疱疹についての症例
小学校4年生の女の子

4年生になり運動クラブに入ったが、市内でも強豪校のため練習がきつく、体に疲労がたまり、また入部間もないため精神的にも疲れた様子でした。喘息の治療に定期的に来院していましたが、疲れている様子が伺えました。そんな中、疲労がピークを迎えたのか、右の頬に湿疹のようなものが出来、皮膚科を受診したところ帯状疱疹と診断されました。
皮膚科を受診後、当院に来院されました。
「帯状疱疹と言われましたが、鍼でも治せますか」とたずねられました。診ますと右の頬から耳にかけて水疱が見られました。
「体が疲れきった時に出てくるものですから、よっぽど疲れたんですね。大丈夫ですよ。鍼で疲れきった体を回復させて治しましょう。免疫力が下がったため、体内に潜伏していたヘルペスウイルスが再活性したのが帯状疱疹ですから、免疫力を元のいい状態に戻してあげれば治ってしまいますよ。しかも、鍼治療をしていると水疱の痕も残りません。女の子ですから、特に大事ですね」
治療を始めて3回で完治となりました。
鍼治療で免疫力を引き上げ、患部をお灸で狙いますと、早く完治させることが出来、尚且つ痕跡を残さずに治癒に至ります。
通常は2〜4週間程で治癒と言われていますが、鍼灸治療を受けることにより免疫力が上がり、自らの力によって帯状疱疹を治してしまいますので、もっと早く治癒に至ります。
鍼灸治療は、とかく整形外科的な症状にのみ効果ありと思われがちですが、このような症例にも効果があります。
皆様の鍼灸治療に対するイメージが、この例を通して少しでも変わっていただけければ幸いです。


不妊症についての症例 (その2)
30歳代前半の女性

当院へは、当初臀部痛で来院されました。問診しますと、「数ヶ月前に始めての妊娠で、8週目で流れてしまいました。腰から臀部にかけての痛みは、以前から頻繁にあります。鍼が怖くて今までは、マッサージを受けていましたが、こちらを紹介され思い切って来ました」「子供の頃からどちらかと言えば、体の弱い子供でした」とのことでした。
手・足は冷えていて少し湿っています。腹部も少し皮膚がざらつきが目立ち、湿り加減です。
「これだけ体が冷えて湿っていると、妊娠してもなかなか育ちにくいですよ。腰の痛みもそのためです。鍼で体質を変えますから、怖がらずに治療を受けてください」と話しつつ治療を始めました。数箇所鍼をしましたら、「まだ鍼はしていないのですか」と尋ねられました。
「もう何箇所か鍼をしてますよ。大丈夫でしょう」
初回の治療を終え、痛かった臀部の痛みが取れ、冷えて湿っていた手に温かみが出、乾いた感じに変わり、びっくりされた様子です。
「こんな風に体は変わります。妊娠して元気に育つことが出来るように、治療を続けて行きましょう」
その後、継続して治療を行い、約半年ほどで妊娠することが出来ました。安産灸を施しつつ、8ヶ月くらいまで当院で治療を継続し、実家に戻られてからも、紹介した治療院で治療を受けられ、無事元気な男の子を出産されました。
当初は、鍼を非常に怖がっておられましたが、今では、全く微塵も感じられません。
人との出会いの不思議を、特に感じられた症例です。「鍼は痛いから行かない」という人も多いと聞きますが、この女性も以前はそうだったそうです。
ひとつの出会いを大切にしてみませんか。


不妊症についての症例 (その1)
不妊症の症例を今回と次回(7月中旬頃)に分けて載せたいと思います。医学的に不妊症と言うには一定の基準があると思いますが、ここではなかなか子供に恵まれない方も含めて載せたいと思います。
今回は、自然な妊娠が難しく体外受精を受けられた方を、次回は流産の経験をし、なかなか妊娠出来ない方の治療例を載せたいと思います。

1.卵管采がうまく機能しない30歳代前半の女性
産婦人科で体外受精をするので、鍼治療も併せてやって何とか妊娠したいと紹介されてきました。
問診しますと、子宮が変形していて妊娠しにくいと医師に進められ手術、その後卵管采の変形も発見され体外受精を選択したとのことでした。
「わかりました。出来るだけのことをやりましょう。鍼治療を継続してください。そうすると、体が変わってきて妊娠を助けることが出来ますよ。また、体外受精に向けての医師の治療・受精卵を体内に戻してからの治療は、結構苦しいですからその緩和にも役立ちます。一緒に頑張りましょう」と励ましつつ、治療を開始しました。
当初、週3回の治療から始めました。
卵子を取る前や受精卵を体内に戻す際等、注射や薬等によってお腹が張り、苦しい状態で何度となく来院されました。その度に、鍼治療によってその張りや痛みを楽にし、体質改善に努めていきました。
その結果、子宮内膜の厚さが9ミリから11ミリに厚さをましました。「今まで何度も検査をしてきましたが、こんなに厚くなったのは初めてです」とびっくりされました。「体が変わってきたんですね。期待しましょう」と励ましつつ、治療を継続しました。
受精卵を戻してから2週間ほどたって妊娠がわかり、喜びを共にしました。
「これからが大事になります。大切にしていきましょう」
その後治療を週2回、更に週1回にし継続しました。つわりも治療によって軽減し、その後安産灸を施しつつ妊娠後期まで治療をさせていただきました。出産は遠方の実家に戻られ、無事、元気な男の子を出産されました。

2.全く生理の無い30歳代前半の女性
「受精卵を3週間後に戻しますが、間に合うでしょうか」と紹介を受けて来院されました。
問診しますと、「生理が全く無いのですが、どうしても子供が欲しくて。こちらで妊娠された方がいらっしゃると聞きました。お願いします」とのことです。
「時間があまりありませんが、精一杯やってみましょう。週3回の治療となりますから、来てください」
当初、冷えていた体が短い期間のわりに温まり、変化していることがわかりました。また、産婦人科での治療により、体調がきつい状態になりましたが、鍼治療によって楽に過ごすことが出来ました。「お腹が膨れ、張って痛かったのに、鍼をすると腫れも、張りも楽になるんですね。不思議ですね」と感謝されました。
受精卵を体内に戻し、無事妊娠となりました。
その後、つわりが始まり継続治療して、その期間を楽に過ごすことが出来ました。
途中、事情もありしばらく治療を休まれ、臨月に入り再来院されました。
出産予定日が目前になっても、陣痛が来ず、お医者さんからは、「もうしばらくかかりますねと言われました」と。
「陣痛促進穴に反応が出ていますから、もうすぐ産まれますよ。それじゃ、治療しておきましょう。明日か明後日には強い陣痛が起こって産まれますよ。強い陣痛が起きて間隔が短くなったら、背中の鍼をはずして病院に行ってください」
二日後に元気な男の子を、無事、出産されました。

普段は、体質改善を主眼において治療を進めております。すなわち「肥えた畑に捲かれた種は、強い根をはり、しっかりと生育していきます。でも、茨の張った畑や養分の少ない畑に捲かれた種は、根を張ってもすぐに枯れてしまいます。あなたの体を肥えた畑に作り変えましょう」と例え話をしながら、鍼治療によって自然な妊娠を進めています。
しかし、体外受精によってのみ妊娠できる方もおられるのです。体外受精で妊娠できる可能性も決して高いとはいえないのが現状のようです。
その確立を、鍼治療(経絡治療)によって少しでも高めるために貢献できればと、この治療を通してあらためて感じました。
体質改善と共にお役に立てればと思います。


生理不順についての症例 (2005年 5月)
1. 初潮以来出血の止まらない20歳代前半の女性
この女性は、10歳代前半に月経が始まって以来、現在までずっと少しずつ出血していて、常に生理用品をはずせない状態が続いていました。
当院へは交通事故の後遺症で腰・肩等が痛むことが多く、その治療のため来院されていました。治療を継続する間に、時々心臓が痛くなり少し胸が苦しい状態で来院されたことがありました。
問診の中で「子供の頃から時々心臓が痛くなることがあります。それから、生理が始まってから出血が止まらずいつもナプキンをつけたままです。赤ちゃんは、諦めています」とのことでした。
「諦めたら終わりですよ。それらも一緒に治療していきましょう。治りますよ」と励ましつつ治療を続けました。苦しかった心臓の痛みが、治療によって楽になったことも、少し信用された一因かも知れませんが。
当初、週2回の治療からはじめました。継続していくうちに、時折出血が止まる日が出てきました。その後、治療を週1回に変え継続治療しました。
今では、無事赤ちゃんを授かり、1児の母親となっておられます。

2. 1年に1回程度しか月経のなかった30歳代前半の女性
この女性は、高校生の頃から生理不順になり、20歳代になってから、更に生理になる回数が減り、1年に1回程度になってしまったそうです。婦人科にしばらく通い、投薬を受けましたが、期待するほどの効果が得られず、通院をやめられたそうです。
当院へは首から肩・上肢にかけての痛みで来院されました。治療を継続していると、肩・上肢の痛みが和らぐと共に、月経が始まったのです。
「今までは、婦人科での薬を使ったときのみ出血があったのに、もうしばらく服用していないのにどうしてだろう。鍼をしているからですか」と尋ねられました。「鍼をしていると、体が変わり、自分自身で悪いところを治していくんですよ。だから生理が始まったんです。それじゃ、定期的に生理がくるように治療を続けていきましょう」と答え、今では定期的に生理がくるようになっています。この方も、かなり強い冷え性で、来院当初は、氷にでも触るような非常に冷たい手・足でした。現在では、その頃の面影は全くなくなっています。当院へは、今でも月1回程度の割合で来院されています。

この症例は、両極端な事例でしたが、治療を継続していくことの大切さを教えてくれます。長年患ったものを治していくためには、あせらず、患者さんと共に良い状態を継続させて行くこと。その結果として、患者さん自身が治す力を高めていくことなのです。結果を早く求めがちですが、時間をかける必要のあるときもあるようですね。
私自身の反省点として、問診の大切さを再度教えられました。今後の臨床に役立てて行きたいです。



メニエール病についての症例 (2005年 5月)
30歳代前半の女性
メニエール病について、その原因や病因は、インターネット上にも多数載せてあり、そちらに譲ることにし、経絡治療の立場からの記事を書きます。
この女性は、妊娠後期に治療に来られ、陣痛促進穴の使用によって、無事元気な女児を出産された方です。その後、育児に追われ、体調を崩し、
激しいめまいと難聴を繰り替えされたとのことです。病院に通われ、投薬を受けるも余り改善しないため、当院に来院されました。
1年半程前に、ご主人に抱きかかえられて来られたことがあります。激しいめまいのため、全く動けず。少しでも動こうとすると、更に激しいめまいとなります。何とかベットに載せましたが、エビのように丸まった状態です。
治療時間が取れないため、まず、救急法を施し、2・30分程そのまま待ってもらいました。
前の患者さんの治療を終え、すぐにベットのわきえ行き様子を伺うと、少し動けるようになっていて、そのまま、本治法を施しました。最後に施灸して治療を終えました。
まだ少し、軽いめまいが残っているため、そのままベットで少し休んでもらい、回復を確認して帰宅してもらいました。
すっかり楽になり、びっくりされての帰宅となりました。その後、定期的に来院され、めまい・難聴等はほとんど発症しなくなり、元気に子育てをやっておられます。
この方は、家庭の事情等もあり、週1回の治療でした。回復された現在も、2週間に1回、体調管理のため治療に来られています。

現在、メニエール病で苦しんでおられる方が多いと聞きます。インターネットを開いても、その多さにびっくりさせられます。
今回載せた記事のように、鍼・灸によっても、
激しいめまい等の症状にも対処できます。更に、
継続治療によって各内臓の系統を整え、バランスをとることで、病いの本体を治していくことが出来ます。この症例から、経絡治療を見直していただければ幸いです。


インフルエンザ・風邪による高熱・咳等の治療例(2005年2月中旬〜3月中旬)
1. 小学校1年生の男の子
明日の午前から将棋の大会があり、どうしても参加したいとのことで来院されました。鍼治療は初めてです。但し、母親と姉は当院で治療を受けています。
体を触りますと、火のように熱く、39度を超える高熱です。診脈すると頻脈で洪水のような強い状態です。上半身は熱いのですが、下肢(足)は少し冷たい状態でした。まだ、これから熱が出る様子です。そのことを説明し、治療に入りました。鍼は、当院で使っている、小児用のものを使いました。所定の治療を終え、検脈すると、洪水のような強い脈は消え、穏やかな柔らかい状態に変わっています。さらに熱かった体も、少し熱が下がっています。「明日の朝はもっと楽になるよ」と話をし、明日、朝1番で来院してもらうことを約束して、治療を終えました。
翌朝来院。すっかり熱も下がり、元気な様子です。「これなら、大会に出れるでしょう」と話しつつ、治療を終えました。
後日、母親から「無事頑張れました」と、お礼の言葉を頂ました。


2. 小学校5年生の女の子
以前、小児喘息で定期的に治療をし、現在喘息はほとんど出ていない方です。
週の半ばに高熱で来院されました。「週末(土曜日)にバスケットの試合があるため、出れるようになりますか。と、何とかお願いします」とのこと。体を触ると、手足を含め体全体が火のように熱い状態です。脈を見ますと、頻脈で強い状態です。「試合まで少し時間がありますから、間に合いますよ」と話、治療を開始しました。
所定の治療を終え、検脈すると、強い脈が柔らかくなり、落ち着いた感じに変わりました。
熱かった体も、少し熱が下がり楽になった様子です。また、明日も来院をお願いし、治療を終えました。
翌日来院。熱はすっかり下がりましたが、少し咳が残った様子です。診脈して、所定の治療を終えました。
中1日置いて、試合当日の朝来院。
少し残っていた咳もすっかり消え、試合に間に合いました。





3. 2歳の男の子
小児喘息の男の子で、喘息が出て咳が激しく続くので、診てほしいとのことでした。初めての鍼治療の体験です。
来院して、ベット上にオムツのみになってもらい、診察を開始しました。体を触ると、熱く、咳も頻繁に出ています。「これは風邪を引いて咳がひどくなっています」と話しつつ、検脈すると、やはり洪水のような強い脈の状態です。
当院で使用している小児用の鍼を使用し、所定の治療をおえました。少し熱が高いので、両手の水かきの穴を使いました。
検脈すると、洪水のような強い脈は、穏やかな状態に変わっています。咳は、まだ残っていますが、熱は少し下がっています。
「今晩少し熱が出るかも知れませんが、解熱剤は使わないでください。その方が早く直りますから」と説明し、治療を終えました。
翌日来院。 すっかり熱は下がり、咳も出なくなっていました。診脈後、所定の治療を終え、「もう大丈夫でしょう」と話、今回の治療を終了しました。

今回三人の治療例を載せましたが、このほかにも多くの人が、子供から大人まで同じような症状で来院されています。
鍼の治療には似つかわしくないように思われますが、風邪やインフルエンザも、各経絡を整えることによって免疫力を引き上げ、自らの力で早く、これらの症状に打ち勝つのです。その結果、風邪等が治るのです。
お医者さんに行って、風邪薬等を服用して治すことは当たり前ですが、鍼治療によっても治すことが出来ます。
「よく子供は、風邪を引きつつ抵抗力をつけていく」と言われます。この意味で、鍼治療は薬の力ではなく、自らの力で治すための手助けをし、風邪と戦いながら強い体を作っていきます。
ですから、鍼治療を受けている子供たちは、熱が出ていても元気です。



  陣痛促進穴の効用(2005年1月5日)
20歳代後半の女性
出産予定日に遅れること2週間。入院前日に来院されました。
お医者さんから、陣痛促進剤か、それで駄目な時は、帝王切開と言われていました。何とか自然分娩したいとの強い希望から、当院に来院されました。
通常の治療を行った後、背部に出る穴反応に円皮鍼をつけて治療を終わりました。患者さんに「明日か、明後日には強い陣痛が起こり、楽に出産出来ますよ」と説明しました。治療の翌朝、強い陣痛が始まり、午前8時に無事元気な女の子を出産されました。
陣痛促進穴は、出産が近くなり、もういつ出産してもいいですよと、体が教えてくれる反応です。ですから、自然な状態で出産を迎えることが出来るのです。